公正証書遺言の作成方法
公正証書遺言とは
「公正証書遺言」とは、公証役場で公証人に作成してもらう遺言のことです。
偽造・変造のおそれがないため、最も確実な遺言の手段とされています。なお、公証役場は、長崎県内であれば、長崎市、佐世保市、諫早市、島原市にあります。
公正証書遺言の作成方法
①必要な書類を準備します。
最低限必要な書類は以下の通りです。
(1)遺言者本人の本人確認資料(印鑑登録証明書又は運転免許証、住基カード等顔写真入りの公的機関の発行した証明書のいずれか一つ。)
(2)遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本
(3)財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票(法人の場合には資格証明書)
(4)財産の中に不動産がある場合には、その登記事項証明書(登記簿謄本)と、固定資産評価証明書又は固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書
②証人を依頼します。
証人は2人以上の立ち会いが必要です。
証人には誰でもなれるわけではなく、「なる資格がない人(欠格者)」もいますので、注意してください。
③遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授します。
遺言の内容を自分の口で言うということです。遺言者が口をきけない場合は、手話通訳等で申述することもできます。
④公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者および証人に読み聞かせます(または閲覧させます)。
⑤遺言者および証人が筆記の正確なことを認めた後、各自、これに署名押印します。
遺言者が署名できない場合は、公証人が事由を付記して、署名の代わりにすることもできます。
⑥公証人が、公正証書遺言が以上の方式に従って作成されたものであることを付記して、署名押印します。
証人になれる人、なれない人
民法には「①未成年者、②推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族、③公証人の配偶者、四親等以内の親族、書記及び使用人」は証人になれないとしています。
推定相続人とは、遺言作成時点で、相続順位が第1位の者を指します。
もし、遺言作成時点で、遺言者に配偶者と子と兄弟がいる場合は、妻と子は証人になれませんが、兄弟は証人になることができます。
証人は、できるだけ利害関係がない人物に依頼するのがよいでしょう。
しかし、それは他人に遺言の内容を知られてしまうことを意味します。その点から、職務上守秘義務を負っている、行政書士や司法書士、弁護士等の法律の専門家に依頼する方法も検討してください。
公正証書遺言作成の費用
公証人の手数料については、相続の目的物の価額・実際に相続する人の数によって異なります。
実際には、公証役場と打ち合わせをし、見積もりを取りますが、数万円程度となる場合が多いようです。
行政書士に依頼される場合
以上のように個人でも公証役場に問い合わせれば、公正証書遺言の作成自体は可能です。
しかし、遺言書の文言についてある程度決められばよいのですが、法律の知識がないと「本当にこれでよいの?」と不安になることもあるでしょう。
行政書士(弊所)に作成を依頼された場合は、ご依頼者様のご希望をお伺いし、遺言書の文言案を作成して、ご依頼者様にもご確認いただきます。
その際、公証人とも事前に打ち合わせをしておりますので、実際に公証役場に出向く際もスムーズです。
証人につきましてもこちらで手配が可能です(証人への謝礼が必要です)。